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新婚さんいらっしゃい(後編)



完結しました。

最後まで読んでくださった心優しき御方、どうもありがとうございました!
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【新婚さんいらっしゃい(2)】(フルメタル・パニック!ねつ造未来新婚話)



性懲りもなくつづきます



以下のお話は、パラレルに近い「フルメタル・パニック!」の未来ねつ造話でございます。



不親切な設定

・年代→いろいろなことが解決した未来のお話。(なんとも適当な・・・)

・かなめさん→「ウィスパード」と呼ばれる特殊能力の持ち主であったため、ある犯罪組織から狙われていた経歴を持つ御方。特殊武器は「ハリセン」。いろいろ山あり谷ありな経験を積み重ね、高校時代に出会った戦争ばか男なボディーガード相良宗介と結婚しちゃった数奇な運命の持ち主でもあります。

・相良宗介→元ミスリル作戦部西太平洋戦隊陸戦コマンドSRT(特別対応班)所属の軍曹。幼い頃から世界各地の戦場を廻ってきた凄腕の傭兵。いろいろ片付け終えて、今では傭兵稼業を卒業し、日本に暮らしている戦争オタク。現在は、ちょっと過激なポリスメン。(←このへんがありえないパラレルねつ造設定・・・)結婚後も、妻のことを昔から慣れ親しんだ呼び名「千鳥(かなめさんの旧姓)」で呼んでいる。



こんな設定の御話ですが、しばらくお付き合いくださいませ。







あまりにも「大好き!!」の気持ちが強すぎて、思わず自己満足のために書き殴っちゃいました。

以下は、フルメタル・パニック!の二次創作SSでございます。

所詮は、「好きなものを好きなように~」が信条の空が即興で書いた自己満足気分SSですので、微妙な出来です。

もし、フルメタを知っていらっしゃる御方がいらっしゃいましたら、目をつぶっていただければ感謝でございます~。








狡いひと【フルメタ:宗介軍曹×かなめさん】



「千鳥、君は・・・狡い。」

いつものように帰り道をてくてく歩いている最中。

ふいに学校一のお騒がせ男、相良宗介がそんなことをいうものだから。

「は・・・?」

彼のクラスメイト千鳥かなめは虚を突かれたような顔で、彼を見返した。

宗介はそんな千鳥の顔を横目で見やりながら、ため息交じりの声で呟いた。

「君は狡い。」

覗き込んだ綺麗な顔は更に、どうしてそんなことを言われるのか解らないといった色をおびる。

だから彼はますます思う。

普段あれだけ勘がいいくせに、こういうときだけは鈍感な彼女の無防備さは救いようがない、と。

 


「ソースケ」

「なんだ。」

「いま私が言ったこと、ちゃんと聞いてくれてた・・・?」

「無論、肯定だ。」

「じゃあ・・・さ・・・なんで”狡い”って返事になるのよ?」

「その通りの意味だが。」

「はいっ??」


何故なら、彼女はこう言ったのだ。

『1人で抱え込まないで。苦しいときはそう言って。全部を解ってあげられるなんて偉そうなことは言えないけど・・・さ。いっつも助けてもらってるお礼代わりに・・・おなかの中にたまったものを吐き出す手伝い・・・させてよ?』


ほらな。狡いだろ?


「えー・・・っと・・・・」

自分の言葉を反芻し、千鳥が眉間に皺を寄せる。

やっぱり解らないという顔をして。

宗介は苦笑いをすると、口許を歪ませた。

「千鳥・・・俺は今まで、大抵のことは1人でなんでもやってきた。」

「そーね。」

「それが、君に会って・・・柄にもなく話を聞いてもらいたいなんて思うことが増えた。」

「そう・・・なんだ。」

「君は君で、聞かせてくれと嬉しそうに言う。俺の抱えている荷物を半分にしたいなんて凄いことを、苦もなく言ってくれる。」

「だって本当にそう思・・・」

「狡いだろう?」

「えっ?」

「そうやって君は俺を、1人きりでは生きていけなくさせる。」

「な・・・」

「自覚してないから余計悪い。」

「そ・・・」

「理解したか?」

一気にまくしたてると、かなめが、珍しく言葉をなくして立ちすくんだ。


彼女を「嫌悪」の対象だと思ったことは1度もない。

だけど、こういうときだけは、どうしようもなく宗介をいたたまれない気持ちになる。

今まで目をそむけていた自分自身の弱さを、きっちり突きつけて気づかせてしまう彼女と一緒にいることが苦しくて・・・だけど、離れたくなくて。

その矛盾した・・・「名前」を知らない感情に苛立って・・・。

そして・・・結局、最後にはほっとする。

彼女が・・・千鳥が今もこうやって生きて傍にいてくれてよかったって思ってしまうのだから・・・救いようがない。


「頼む。千鳥・・・約束してくれ。・・・他の奴に同じことを言わないと。」

持て余す感情を抱えながら、呆然としている千鳥に背を向けて、宗介は先に歩き出した。



振り向きもせず。



だから・・・彼はきっと知らない。

彼の広い背中を、かすかに頬を紅潮させて見つめたままの千鳥の唇がこう動いたことを。

 

『・・・まったく・・・狡いのは・・・どっちよ』

・・・きっと知らないに違いないのだ。




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