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七転八倒至上主義!【7】(学パロロンフェア番外編)

七転八倒至上主義!【7】



「やだッ! 菊池くん・・・もうや・・・だ・・・っ、頼む・・・から・・・っ」



「どうしたんですか?」


 

耳たぶを噛みながら、菊池が囁く。

 

そのやんわりとした接触にも、フェアの体は歯止めがきかなくなりつつあった。


 

流されそうになる体に必死で言うことをきかせる。

 

しかし、フェアの弱点を知りつくした菊池がくれる気の遠くなりそうな愛撫が、理性さえも奪おうとするのだ。


 

フェアの思考が、一点に集中してしまう。


 

はやく解放してくれと。




「もう・・・イカせて・・・」




ちいさな声で。

 

それでもフェアは、菊池の目を見ながらそうつぶやく。




「お願い・・・だから・・・」



「我慢できませんか?」



「ん・・・。」



上気させた顔を立てに振ると、菊池が、フェアの手をおさえつけていた力を、少しだけ緩める。



心底ほっとしたような表情を見せるフェアに、菊池は笑みを浮かばせたまま、そっと囁いた。




「・・・じゃあ自分で、やってみせてください・・・」




「・・・・・・え・・・?」




菊池の言葉が形になるまで、ほんの数秒。

 

直後、フェアは右手をのぞく上半身の自由を奪われた。


 

間近にある、菊池の笑顔。



その表情の下にあるものが怖くて、思わず目をそらしてしまう。




「・・・自分でやってみせてくれるのなら・・・いいでしょう。イかせてあげますよ」




「・・・・・・ッ!」




フェア
に自身を埋めこんだまま、彼女に自慰を強要する。

 

できないものなら、いつまでもフェアの願いはかなうことはない、と。


 

熱い視線が、物語る。



「見たいんです・・・僕が好きな・・・あなたの一番綺麗な瞬間をね・・・」



「・・・・・・っ」




耳元で囁いてくる悪魔の声に唆されるようにゆっくりと、のびる手。




経験がないわけじゃない。



もしも・・・自分ひとりだったら、抵抗もなくできることなのだろうけれど。




今は、菊池の目がある。




・・・・・・けれど・・・でも。




「ん・・・ああっ・・・」



クチャリ・・・。



恐る恐る伸ばした指先に、粘着質の濡れた感触がからみつく。



自分で直接ソコにふれるのは、ずいぶんひさしぶりだった。




誰の肌も隣にない時間が、最近ではなかったから。



「素敵ですよ・・・先生・・・もっと・・・脚を開いて見せて?」



「ん・・・くっ・・・」




次第に大胆になる手の動き。




もう誰が見ていても、どうでもよかった。



はやく満たされたいと、それだけが頭にあった。


 

さっきから幾度となく、直前でとめられていたそれは、さらに奥から際限なく淫蜜を漏らしはじめる。




「あ・・・ぁぁっ・・・っ」




彼の言うとおりに両脚がひらいてゆくのにも気づかない。



絡みつくようなねっとりした菊池の視線が、そこに集中していることにも。




白濁してくる思考回路。

 

快楽を追い求めるだけの、肉体。


 

その体から、菊池自身が抜けてゆく。


 

そして・・・ふいに、強い力ではずされる、右手。




「・・・・・・ッ!!」



寸でのところで快楽に落ちるのを引きとめられて・・・

 

獣じみた声が、己の口からでたことが信じられないフェア。

 

涙ながらに菊池をにらみつけようとするが、視線の先にはいなかった。




「・・・な・・・? ・・・ぃ、やあぁぁぁッ!」




さっきまで、自分がふれていた部分に、菊池が躊躇なくむしゃぶりつく。



 

熱い舌先をねじ込まれ、敏感になりすぎた花芯に軽く歯を立てられると・・・目の前が真っ白に弾けた。

 

ぎりぎりまで追いつめられていたそれは呆気なく達し、それと同時にそこからじわりと漏れる愛液をすすりあげる菊池の喉。




「・・・・・・っ・・・」




本来なら、そのまま倒れこんでしまいたいくらいなのに、自分の体から出てしまったいやらしいものを飲みこんだ菊池を、思わず凝視してしまう。




「・・・・・・満足、なさいましたか・・・?」




「・・・・・・菊池くん・・・っ」


 

声をだしてみて、はじめて自分の息が、かなりあがっていることに気づく。




「あなたの達する瞬間の貌は・・・何度見てもたまりませんよ、フェア・・・」



「龍・・・っ・・・」




「次は・・・僕の番ですね・・・お預けを食らった分・・・たっぷりおいしく頂きます・・・」



ぐちゅりと火傷しそうなほど熱く溶けた先端が、淫唇に押しあてられる。



「こんな形でしか伝えられませんが・・・愛してます。僕だけの・・・フェア。」



「莫迦ね・・・私だって・・・好きよ。」



場違いのように・・・至極真面目な声で囁く恋人の赤い髪を梳きながら、フェアは困ったように微笑んだ。
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