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七転八倒至上主義!【2】(学パロロンフェア番外編)
七転八倒至上主義!【2】
すべて菊池が悪い、とは、一概には言えないかもしれないが、やはりフェアの右足首の怪我のきっかけを作ったのは彼だ。
ふたりで近所を散歩していた時。
声を泣いている女の子に出会った。
何があったか尋ねてみると手を離した拍子に持っていた風船が浮かび上がり、木の枝にひっかかってしまったそうだ。
なんとなく、放ってもおけず、ヒールを履いていたフェアが、隣に佇む恋人に、とってあげてと言ったのが
そもそものはじまりで・・・。
別に、そう高い木ではなかったし、ほんの何本かの枝をかきわければ、すぐに手の届くところに風船はあった。
枝に絡まっていたひもをほどき、飛び降りようとしたとき。
厚いガラスの眼鏡を通して彼の視界にはいった、子供の笑顔と、その場に座りそばに寄りそうフェアの微笑。
そして、菊池が背後に感じた、ちいさな気配。
「あーッ! リスっ!」
「菊池くん!!」
血相を変えてがばっとフェアが立ちあがったのと、後ろの気配が消え去ったのと、菊池がバランスを崩したのは、ほぼ同時だった。
すべるように幹から落ち、そして・・・柔らかい物体が菊池を地面との直撃から守った。
「いっ・・・たあああああ!!」
絶叫とともにごきり、と嫌な音が、菊池の耳にも届く。
彼が着地したのは、とっさに駆け寄ったフェアの体の上。
そして、容赦なしのひざ蹴りにも似た衝撃の犠牲になったのは、彼女の右足。
すぐに病院に担ぎ込まれ、検査を受けた結果、不幸中の幸いで・・・骨に異常はないとのこと。
しかし、捻挫というには重傷で、フェアは結局菊池におぶわれて帰宅するはめになったのだ。
その結果が、これである。
とりあえず、今日1日は、私の言うとおりに動いてもらうからね。
ベッドに寝かされるなり、そういったフェアのひとこと。
その表情に、怒りではなく・・・どこかおもしろがっているような色を見つけ、菊池は肩を落としたのだった。
すべて菊池が悪い、とは、一概には言えないかもしれないが、やはりフェアの右足首の怪我のきっかけを作ったのは彼だ。
ふたりで近所を散歩していた時。
声を泣いている女の子に出会った。
何があったか尋ねてみると手を離した拍子に持っていた風船が浮かび上がり、木の枝にひっかかってしまったそうだ。
なんとなく、放ってもおけず、ヒールを履いていたフェアが、隣に佇む恋人に、とってあげてと言ったのが
そもそものはじまりで・・・。
別に、そう高い木ではなかったし、ほんの何本かの枝をかきわければ、すぐに手の届くところに風船はあった。
枝に絡まっていたひもをほどき、飛び降りようとしたとき。
厚いガラスの眼鏡を通して彼の視界にはいった、子供の笑顔と、その場に座りそばに寄りそうフェアの微笑。
そして、菊池が背後に感じた、ちいさな気配。
「あーッ! リスっ!」
「菊池くん!!」
血相を変えてがばっとフェアが立ちあがったのと、後ろの気配が消え去ったのと、菊池がバランスを崩したのは、ほぼ同時だった。
すべるように幹から落ち、そして・・・柔らかい物体が菊池を地面との直撃から守った。
「いっ・・・たあああああ!!」
絶叫とともにごきり、と嫌な音が、菊池の耳にも届く。
彼が着地したのは、とっさに駆け寄ったフェアの体の上。
そして、容赦なしのひざ蹴りにも似た衝撃の犠牲になったのは、彼女の右足。
すぐに病院に担ぎ込まれ、検査を受けた結果、不幸中の幸いで・・・骨に異常はないとのこと。
しかし、捻挫というには重傷で、フェアは結局菊池におぶわれて帰宅するはめになったのだ。
その結果が、これである。
とりあえず、今日1日は、私の言うとおりに動いてもらうからね。
ベッドに寝かされるなり、そういったフェアのひとこと。
その表情に、怒りではなく・・・どこかおもしろがっているような色を見つけ、菊池は肩を落としたのだった。
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