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豪雪注意報が出た記念(そんな記念はいらない・・・)に、雪ネタSSを1つかいてみました。
ロンフェア日常系SS「ぬくもりに満ちた檻」。
ロンフェア日常系SS「ぬくもりに満ちた檻」。
ロンフェア日常系SS「ぬくもりに満ちた檻」。
ゆーきやこんこん あられやこんこん ふってもふってもふってもつもる♪
窓の外から聞こえてくる元気な声に、フェアは重い瞼を上げた。
近所の子供たちが、外ではしゃいでいるらしい。
雪、か・・・・・・
(そう言えば昨夜は寒かったっけ・・・。)
ぼんやりと考えていると、その後の行為までまざまざと思い出してしまって、後悔しながら火照る顔をぴしゃりとたたいた。
早朝から湧いて出た不健全な思考を追いやるかのように、フェアは温かなシーツの間から腕を伸ばして閉ざされたカーテンをそっと開けた。
その際シーツが肩から滑り落ちて真新しい所有印に彩られた素肌に冷気が触れたが、そんな事には頓着しない。
「すごい・・・」
思っていた以上の光景に、フェアは素直に感嘆の声を漏らした。
小さな粒の雪に混じって、大きめの雪が降っている。
その所為で道路や屋根の上が既に白くなりかけていた。
「積もるかな?」
わくわくしながら、瞳を輝かせ結露で涙を流した窓にそっと指を押しあてて・・・その幻想的な風景を眺める。
指先から伝わるひんやりとした感触が気持ちいい。
まだ朝早いと言う事もあって人通りが少なく、それがよりいっそう目の前の光景の現実味を失わせていた。
「また雪かね・・・?」
「え・・・・・・ぅひゃっ!」
低い声と共に背後から、腰を抱き取られてシーツの中に連れ戻される。
その呟きに前回の降雪を思い出して、フェアは小さく笑った。
「おはよう・・・セイロン」
ちゅっと可愛らしく頬に口付けてやると、直ぐに同じような口づけが返ってくる。
「お早う・・・店主殿」
「本当に駄目なんだねぇ・・・寝起き」
無愛想な返事が、朝が苦手な彼らしくて、フェアはくすくすと声を立てて笑った。
「雪ね・・・先週よりは、大した事ないよ?」
「・・・・・・前回が異常だったのだ・・・屋根まで積るなどと・・・」
「雪かき大変だったもんね・・・。」
珍しく不機嫌そうにつぶやいて、フェアを抱く腕に力を込める。
異常な量の降雪のせいで、甘いひと時を中断されたのがよっぽど、身にしみたらしい。
たははと笑いながらフェアも彼を抱き返して、その背を緩く撫でた。
「でもね・・・私、雪が降ってるのを見るのって好きだよ?」
「ほう・・・?」
「だって・・・見てて飽きなくない?」
「そうか・・・」
「そうだよ・・・真黒な雪はもうこりごりだけどね?もちろん、家を壊しかねない雪もね・・・?」
フェアはセイロンの腕の中で躰の向きを変え、窓の外に視線を向けた。
「だけどさ・・・窓の直ぐ側とかはそのまんま落ちてくるのにさ、平らな所とかちょっと窪んでる所なんかは風の影響を受けて何度か舞い上がったりするでしょ?それが凄く綺麗じゃない・・・」
「うむ・・・。」
「・・・雨や霰はただ降ってくるだけだけど、雪は降るよりも舞うって言い方が似合うよね?」
こうして見ているだけの雪はとても温かそうだ。
まるで綿が降っているようで、触れれば体温にも溶けてしまうなんていう実感はない。
さながら、柔らかく甘い・・・砂糖でできた綿菓子のよう。
深々と降り続く雪の中に立っているのも好きだけど、こうして温かな場所で眺めるのもまた楽しい。
外気の寒さを忘れて、全く違う風景を見ているような気がする。
眺めている内に僅かに混じっていた大きめの雪はいつしか姿を消し、降っているのは粉雪だけになってきた。
降り方も、先程より疎らに見える。
(あら・・・この降り方じゃあ・・・積らないだろうなぁ・・・残念)
「・・・なぁ、店主殿?」
「・・・なあに?セイロン」
「外に、出なくても良いのか?」
不意に頭上からセイロンがぼそりと呟いて、ぼんやりと雪の舞を見ていたフェアは少し反応が遅れた。
「へ?・・・どうして?」
「雪の降ってる中に居るのが好きであろう?そなた・・・?・・・止んでしまうが・・・かまわぬのかね?」
「ん、まあね・・・」
前回の降雪の後、確かそんな事を言った記憶がある。
何気ない独り言だったのに。
必死の形相で家を押しつぶさん勢いの雪と悪戦苦闘して大変だったろうに・・・その修羅場の中でも、彼はそれを聞き留めて覚えていてくれたのか。
「・・・確かに好きだよ・・・でも、良いの」
何となく嬉しいような照れ臭いような気分になって、フェアは前に回ったセイロンの腕を抱き込み、そっと頬を寄せた。
「何故?」
項の辺りに唇が落ちてきて、そっと尋ねられる。
触れる吐息が擽ったい。
「だって・・・窓が結露しちゃうくらい寒い外に出るより、あったかい所で見てた方が良いじゃない?」
「まあ、それはそうだろうが・・・」
まだ納得しかねるといった感じのセイロンの口調に、フェアは仕様が無いなあ、と苦笑を零した。
「全く、肝心な時だけどうしてこう鈍いなあ・・・・・・」
「何か言うたか?」
「ううん、別にー」
もごもごと口の中だけで愚痴った言葉は彼の耳には入らなかったようだ。
『なんでもないよ』と首を振って、背後にある温かい胸元へと擦り寄った。
「だからね・・・外に出てみる雪も素敵だけど・・・誰かさんのあったかい腕の中で見てるのが一番幸せだ、ってこと!!」
「!!(直撃→良い子は「どこが?」と聞かないでね(笑))」
ここまではっきり言えば流石のセイロンにも伝わったようだ。
ぎゅっと・・・体を抱き締める腕に力が籠もった。
「我も、そなたが傍にいてくれれば幸せだ」
「・・・・・・ん」
触れ合う素肌の温もりや柔らかく拘束してくる腕が心地良くて・・・。
フェアは消え入りそうな声で頷きを返すと紅く染まっているだろう頬をシーツに押し付けた。
そうして照れをやり過ごすと、自然と笑みが浮かんでくる。
「それじゃあ・・・もうちょっとだけ幸せに浸ってみる・・・?」
「・・・・・・お気に召すまま」
短い肯定が、彼も多少は照れている事を教えてくれる。
肩口に頭を埋めてくる愛しい人の髪の毛を撫でて、微笑んだまま見遣った窓の外では、そろそろ雪が止もうとしていた。
余談ですが・・・。
空が住んでいるところでは、雪は昔から「魔物」と云われております。
放っておけば一晩で屋根の高さまで降り積もり、家の壁を軽く押しつぶす力を持っているからです。
あと・・・雪国において昼間に屋根の下を歩くことは「自殺行為」です。
とけてきた雪が屋根から一気にすべりおち、下にいる人をあっという間に生き埋めにしてしまうから。
(はっきりいって、こうなった場合・・・誰かに発見されて助けてもらえればいいんですが、自力で抜け出すのは非常に難しいんです。もがいているうちに、わずかな時間で窒息死に至ることすらあります。(怖がらせるつもりじゃなくって・・・実話です))みなさんも雪国を旅した際は、お気をつけて。
最後まで読んでくださってありがとうございました!!
ゆーきやこんこん あられやこんこん ふってもふってもふってもつもる♪
窓の外から聞こえてくる元気な声に、フェアは重い瞼を上げた。
近所の子供たちが、外ではしゃいでいるらしい。
雪、か・・・・・・
(そう言えば昨夜は寒かったっけ・・・。)
ぼんやりと考えていると、その後の行為までまざまざと思い出してしまって、後悔しながら火照る顔をぴしゃりとたたいた。
早朝から湧いて出た不健全な思考を追いやるかのように、フェアは温かなシーツの間から腕を伸ばして閉ざされたカーテンをそっと開けた。
その際シーツが肩から滑り落ちて真新しい所有印に彩られた素肌に冷気が触れたが、そんな事には頓着しない。
「すごい・・・」
思っていた以上の光景に、フェアは素直に感嘆の声を漏らした。
小さな粒の雪に混じって、大きめの雪が降っている。
その所為で道路や屋根の上が既に白くなりかけていた。
「積もるかな?」
わくわくしながら、瞳を輝かせ結露で涙を流した窓にそっと指を押しあてて・・・その幻想的な風景を眺める。
指先から伝わるひんやりとした感触が気持ちいい。
まだ朝早いと言う事もあって人通りが少なく、それがよりいっそう目の前の光景の現実味を失わせていた。
「また雪かね・・・?」
「え・・・・・・ぅひゃっ!」
低い声と共に背後から、腰を抱き取られてシーツの中に連れ戻される。
その呟きに前回の降雪を思い出して、フェアは小さく笑った。
「おはよう・・・セイロン」
ちゅっと可愛らしく頬に口付けてやると、直ぐに同じような口づけが返ってくる。
「お早う・・・店主殿」
「本当に駄目なんだねぇ・・・寝起き」
無愛想な返事が、朝が苦手な彼らしくて、フェアはくすくすと声を立てて笑った。
「雪ね・・・先週よりは、大した事ないよ?」
「・・・・・・前回が異常だったのだ・・・屋根まで積るなどと・・・」
「雪かき大変だったもんね・・・。」
珍しく不機嫌そうにつぶやいて、フェアを抱く腕に力を込める。
異常な量の降雪のせいで、甘いひと時を中断されたのがよっぽど、身にしみたらしい。
たははと笑いながらフェアも彼を抱き返して、その背を緩く撫でた。
「でもね・・・私、雪が降ってるのを見るのって好きだよ?」
「ほう・・・?」
「だって・・・見てて飽きなくない?」
「そうか・・・」
「そうだよ・・・真黒な雪はもうこりごりだけどね?もちろん、家を壊しかねない雪もね・・・?」
フェアはセイロンの腕の中で躰の向きを変え、窓の外に視線を向けた。
「だけどさ・・・窓の直ぐ側とかはそのまんま落ちてくるのにさ、平らな所とかちょっと窪んでる所なんかは風の影響を受けて何度か舞い上がったりするでしょ?それが凄く綺麗じゃない・・・」
「うむ・・・。」
「・・・雨や霰はただ降ってくるだけだけど、雪は降るよりも舞うって言い方が似合うよね?」
こうして見ているだけの雪はとても温かそうだ。
まるで綿が降っているようで、触れれば体温にも溶けてしまうなんていう実感はない。
さながら、柔らかく甘い・・・砂糖でできた綿菓子のよう。
深々と降り続く雪の中に立っているのも好きだけど、こうして温かな場所で眺めるのもまた楽しい。
外気の寒さを忘れて、全く違う風景を見ているような気がする。
眺めている内に僅かに混じっていた大きめの雪はいつしか姿を消し、降っているのは粉雪だけになってきた。
降り方も、先程より疎らに見える。
(あら・・・この降り方じゃあ・・・積らないだろうなぁ・・・残念)
「・・・なぁ、店主殿?」
「・・・なあに?セイロン」
「外に、出なくても良いのか?」
不意に頭上からセイロンがぼそりと呟いて、ぼんやりと雪の舞を見ていたフェアは少し反応が遅れた。
「へ?・・・どうして?」
「雪の降ってる中に居るのが好きであろう?そなた・・・?・・・止んでしまうが・・・かまわぬのかね?」
「ん、まあね・・・」
前回の降雪の後、確かそんな事を言った記憶がある。
何気ない独り言だったのに。
必死の形相で家を押しつぶさん勢いの雪と悪戦苦闘して大変だったろうに・・・その修羅場の中でも、彼はそれを聞き留めて覚えていてくれたのか。
「・・・確かに好きだよ・・・でも、良いの」
何となく嬉しいような照れ臭いような気分になって、フェアは前に回ったセイロンの腕を抱き込み、そっと頬を寄せた。
「何故?」
項の辺りに唇が落ちてきて、そっと尋ねられる。
触れる吐息が擽ったい。
「だって・・・窓が結露しちゃうくらい寒い外に出るより、あったかい所で見てた方が良いじゃない?」
「まあ、それはそうだろうが・・・」
まだ納得しかねるといった感じのセイロンの口調に、フェアは仕様が無いなあ、と苦笑を零した。
「全く、肝心な時だけどうしてこう鈍いなあ・・・・・・」
「何か言うたか?」
「ううん、別にー」
もごもごと口の中だけで愚痴った言葉は彼の耳には入らなかったようだ。
『なんでもないよ』と首を振って、背後にある温かい胸元へと擦り寄った。
「だからね・・・外に出てみる雪も素敵だけど・・・誰かさんのあったかい腕の中で見てるのが一番幸せだ、ってこと!!」
「!!(直撃→良い子は「どこが?」と聞かないでね(笑))」
ここまではっきり言えば流石のセイロンにも伝わったようだ。
ぎゅっと・・・体を抱き締める腕に力が籠もった。
「我も、そなたが傍にいてくれれば幸せだ」
「・・・・・・ん」
触れ合う素肌の温もりや柔らかく拘束してくる腕が心地良くて・・・。
フェアは消え入りそうな声で頷きを返すと紅く染まっているだろう頬をシーツに押し付けた。
そうして照れをやり過ごすと、自然と笑みが浮かんでくる。
「それじゃあ・・・もうちょっとだけ幸せに浸ってみる・・・?」
「・・・・・・お気に召すまま」
短い肯定が、彼も多少は照れている事を教えてくれる。
肩口に頭を埋めてくる愛しい人の髪の毛を撫でて、微笑んだまま見遣った窓の外では、そろそろ雪が止もうとしていた。
余談ですが・・・。
空が住んでいるところでは、雪は昔から「魔物」と云われております。
放っておけば一晩で屋根の高さまで降り積もり、家の壁を軽く押しつぶす力を持っているからです。
あと・・・雪国において昼間に屋根の下を歩くことは「自殺行為」です。
とけてきた雪が屋根から一気にすべりおち、下にいる人をあっという間に生き埋めにしてしまうから。
(はっきりいって、こうなった場合・・・誰かに発見されて助けてもらえればいいんですが、自力で抜け出すのは非常に難しいんです。もがいているうちに、わずかな時間で窒息死に至ることすらあります。(怖がらせるつもりじゃなくって・・・実話です))みなさんも雪国を旅した際は、お気をつけて。
最後まで読んでくださってありがとうございました!!
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